祭典・行事

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「御田祭」

明治時代以前は6月23日に、それ以降は7月23日に行われていたものが、昭和49年からは、毎年7月第3日曜日に執り行われております。古くからの神事で、文献上で確認できるだけでも室町時代にまでさかのぼり、永和2年(1376)の「松尾社年中神事次第」や、文明元年(1469)の記録にも、この御田祭(おんださい)のことが記されております。寛永年間の文書によると、下津林・上山田(現在の嵐山)・惣市(現在の松尾)の三村から、植女(童女)が一人ずつ出て奉仕し、その服装は、紗を張った「かいばり」(うちかけ)を着て、金銀で飾られた花笠をかぶり、紅白ちりめんのたすきを掛け、額には葵の形を白粉をつけ髪に垂らして花櫛を挿し、元結を水引で結んでいたとされています。また、この3人の植女が壮夫・腰元二人を従えて、ご本殿の祭儀に参列し、神職から早苗を受け、それから斎庭に出て、壮夫の肩に乗り先駆の素袍二人・鍬持ち二人、その他を従えて拝殿の周りを三回まわることになっており、その後、持っていた苗を撤布すると、見物人たちは競ってこれを取って持ち帰り、田の虫除けにしたと伝えられています。この儀式は今日でも、古式に従って午前10時よりの祭典に引き続き執り行われており、拝殿には氏子中より奉納の蔬菜が供えられ、両手に早苗を持ち、左右に真っ直ぐに伸ばした植女の姿は、山城地方における最も古い素朴な田植え祭りの姿を今に伝えています。当社の『御田祭』(おんださい)は六百年以上前の記録にも出てくる大変由緒あるお祭りで、「京都市無形民俗文化財」にも指定されております。先ずは本殿にて「五穀の豊穣」を祈り、「かいばり」に「花笠」を付け「たすき掛け」姿の植女(うえめ)と呼ばれる氏子地域から選ばれた三人の童女が、宮司より早苗をさずけられます。植女は授けられた早苗を両手に捧げ持ったまま壮夫の肩に乗り、拝殿回りを三周し、引き続き神饌田へと進み虫除行事などが行われ、お祭りは終了いたします。昔は実際にこの時に田植えが行われていましたが、何時の頃からか予祝行事の様式に変り現在に至っております。